昭和から平成へ 1
昭和から平成へ。
あまり変わりがないようで、ものすごく世の中が変わったように思います。
一月八日平成元年の初日、男はいつもの日曜日と同じように昼近くまで寝坊をして、テレビをつけた。
日曜日のささやかな楽しみはテレビなのだが、テレビは昨日と同じ追悼番組一色である。
男は駅前のビデオショップに足を向けた。
ビデオショップの中はごったがえし、若い客のほかに、男のような中年も多い。
男は男なりに感傷的になっているのか、戦争直後に見た懐かしい洋画を何本か借りた。
商店街も住宅地も弔旗をたてる店や家はまれである。
帰り道、道路端に粗大ゴミの山が溢れている。
"なんと、真新しいものが惜しげもなく捨てられるのか"と、男は戦争直後の事を思い出し、ついゴミの山の前で足を止めた。
テレビ、洗濯機、冷蔵庫、それに豪華なソファーやベットに混じって、まだ乗れそうな自転車が二台も押しつぶされている。
"贅沢な。
いつか罰が当たるぞ"。
男は言いようのない腹立たしさと空しさを感じたのだ。
男たちは昭和二一年、新制の小学校に入学した。