昭和から平成へ 5
マツシタ、ホンダ、ソニーなどの著名な企業はいうまでもなく、日本の経済を支える大部分の企業が廃嘘の跡から徒手空拳に近い企業家の努力によって、わずか数十年間に世界的な企業となったのだ。
これほど人材が自由闊達に生きわずかな期間に世界的な事業を興した時代はないであろうし、結果としてこれほど、身分や出身、学歴に関係なく人々が活躍した時代も少ないであろう。
その意味で日本の歴史を見ても、戦後は稀有なほど野心と創意に満ちた時代だったのではないか、と思う。
しかし、この企業の隆盛に比較して企業の中で黙々と働いた庶民は本当に報われたのだろうか。
サラリーマンが一生働いて、運が良くても、猫の額ほどの土地と家が財産のすべてである。
それも通勤に一時間も二時間もかかる。
ろくに休みも取らず働き続け、そのあげく厚生年金の支給開始の年齢が、やがて六五歳まで延びるという。
なんということだ。
戦後、経済の再建に向けて、男たちは兵士のようにがむしゃらに働いた。
経済だけでなく、日本人の寿命も伸びましたよね。