昭和から平成へ 6
戦中戦後の栄養不足で人々の血管は細く脆いという。
その昭和の時代の男たちほど激しく社会変動、ストレスを経験した世代は世界でもないと、アメリカの学者が研究しているという話があった。
確かに、男たちはおそらく数世代か、百年単位で起こる社会の激変に耐え、祖国の再建を成し遂げた。
男たちは食うため、職を得るため故郷を出て、狭い社宅に住みながら、結局、企業という新しい主人に奉公することで、親も家も墓も捨てた。
しかし、いくら行進しても、経済の前線には、とうとう「兵よ、休め!」の声はどこからも聞こえてこなかった。
丁度、戦略のない戦争の前線にいる兵士のように、兵站のない戦場に放り出された兵士のように。
かつてアメリカの大統領候補が選挙戦で日本の企業は「労働者の血を水のように売っている」と批判したことがある。
当時、過労で寝ていた男は、そのテレビを見て思わず拍手したのを白状せざるをえない。
現に首都圏にあり余る土地が存在しながら、それを庶民に、経済の真の担い手に安価に提供できない政治、世界一、二の大国になっても労働者に週休二日はおろか、夏休みさえ満足に与えられない企業。
いまだに、日本の戦後の復興の早さは「東洋の奇跡」とも呼ばれていますからね。